ATF電波塔 Final Edition

かつて曾孫系ニュースサイト管理人だったおじさんの、最後の住処

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■自室にネットをつなげたら■
ガリガリィッと落書きしよう。HFQ板にでも(ド迷惑


■むきりょくよくりょく■


「さあ、行こう。この道の果てまで!化の者すら昇りきれぬ空を越えて!」


天空を穿つ錐のような山。その山頂が、「道」の果てだと少女は笑った。
僕の息はもう絶え絶えで、少女の身体もボロ雑巾のよう。
登山どころか、この場に留まっているだけでもいずれふたりは死ぬだろう。
それでも、僕は全力で応えた。もう声なんて出やしないのに、力の限り。


「そうだ!僕らはこのために生きてきた!たとえ、この身が―」


…口を塞がれた。彼女の口によって。
それは、つまり。


「たとえ話はいらない!あたしたちは、『例え』なんかに縛られない!
 それが故に!…それが故に、あたしたちは今、前例のないことをやれる!」


でしょ、と目配せ。
真っ赤になった頬を隠せるかで必死だった僕は、慌てて頷いた。


そして僕らは、手を繋いで先へ進む。
どちらが先に倒れても、どちらかが背負って、二人で進めるように。